エコジョーズ給湯器と従来品のコスト比較
これからのスタンダード給湯器「エコジョーズ」
ガスを熱源としたエコな給湯システムの中で最近話題の「エコジョーズ」。これは、従来型の給湯器ではただ排出されるだけだった潜熱、つまり水をお湯に変える際に水蒸気として大気に放出される熱エネルギーを回収して再利用するシステムです。従来型の給湯器よりも少ないガス量で効率よくお湯を沸かすことが可能になっており、従来型では約80%だった熱効率が95%にアップしています。それに伴って待機時の消費電力も従来型の半分以下、そしてCO2の排出量も約15%削減されています。
様々な角度から省エネルギーに貢献しているため環境にやさしいのはもちろん、ガス代や電気代の節約になることから私たちのお財布にもやさしいシステムです。ただし、エコジョーズを設置する際には従来型の給湯器の設置工事に加えて、排水ドレン工事が必要になるほか、本体価格も割高です。とは言っても自治体からの補助金制度が使えたり、ランニングコストが抑えられたりするので、長い目で見るとやはりお財布にもやさしいと言えますね。
エコジョーズ給湯器と従来品のランニングコストや熱効率の比較
では、エコジョーズ給湯器を使用した場合と、従来型の給湯器を使用した場合の費用その他をいろいろな角度で比較してみたいと思います。以下はリンナイ製のフルオート追い焚き機能付き24号を購入+設置した場合の比較です。
エコジョーズ | 従来品 | |
---|---|---|
ランニングコスト | 約16%削減 | 0% |
熱効率 | 95% | 80% |
自治体による補助金 | 0〜50,000円 | 0円 |
商品代金 |
386,000円 (メーカー希望小売価格) |
331,200円 (メーカー希望小売価格) |
工事費 | 約35,000円 | 約30,000円 |
ガス料金(東京ガスの例) | 3%割引 | 0% |
商品代金と工事費が従来品よりもかかることを考慮しても、ランニングコストやガス会社の割引システム、および補助金などを加味すると、だいたい2年で価格差をクリアし、それ以降は年々エコジョーズのほうが安くなっていきます。補助金を利用しなかった場合でも5年で価格差はクリアできます。
エコジョーズとエコキュートのトータルコスト比較
では今度は電気を使ったエコ給湯システム「エコキュート」と「エコジョーズ」を比較してみましょう。
エコジョーズ | エコキュート | |
---|---|---|
仕組み | ヒートポンプユニット | 貯湯タンク |
飲料 | お湯をそのまま飲める | タンクに貯まっていたお湯なのでそのまま飲むと危険 |
使える湯量 | 制限なし | タンクに貯まっている分のみ |
エネルギー効率 | 約90% | 約70% |
放熱ロス | なし | 多い |
CO2排出量 | 約15%削減 | 約15%削減 |
商品定価 |
420,000円 (給湯暖房熱源機) |
880,000円 (多機能タイプ) |
エコジョーズとエコキュートを10年使用した場合にそれぞれかかるトータルコストはほとんど変わりません。最も大きな差異は、エコキュートが1日分のお湯を深夜に沸かしてタンクに貯めておくシステムであるのに対して、エコジョーズは空気から吸収した熱エネルギーを利用してお湯を沸かすというシステムであるという点。そのためエコキュートはタンクのお湯を使い切った時点で仮にシャワーの途中であっても水になってしまいます。環境に対する貢献度およびトータルコストについてはほとんど変わらないので、その他の比較ポイントについてよく検討して選んでください。